皆さんこんにちは!時が経つのは早いもので、ついこの前『時のらせん』が発売されたかと思えば、もうその『時のらせん』がスタンダード落ちしようとしています。『アラーラの断片』発売です。

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+?-?なにを?

 さて、ローウィンで新しいカードタイプ「プレインズウォーカー」が導入されてもう1年経つこととなりました。皆さん恐らく去年の今頃、公式サイトにて公開された謎のカード《リリアナ・ヴェス》はどうやって使うのか考えていたことではないかと思います。今となってはもうプレインズウォーカーなど当たり前のように使われていますけど・・・。

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中村 修平の『緑黒エルフ』
プロツアー・ハリウッド / トップ4


3 《森》
4 《光り葉の宮殿》
4 《ラノワールの荒原》
4 《変わり谷》
2 《ペンデルヘイヴン》
2 《沼》
4 《樹上の村》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
-土地(24)-

2 《ボリアルのドルイド》
3 《護民官の道探し》
4 《傲慢な完全者》
4 《ラノワールのエルフ》
4 《タルモゴイフ》
4 《レンの地の克服者》


-クリーチャー(21)-
4 《野生語りのガラク》
3 《名も無き転置》
4 《不敬の命令》
4 《思考囲い》
-呪文(15)-
4 《苦花》
2 《増え続ける荒廃》
3 《原初の命令》
4 《叫び大口》
2 《恐怖》
-サイドボード(15)-
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緑黒エルフの要

 このデッキにおいて《野生語りのガラク》が強かったのは、以下の2つの理由が挙げられるます。

1.全ての能力がデッキに噛み合っている

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ガラクと土地があれば、《神の怒り》
怖くない!

 ひとつめの土地をアンタップすり能力は《不敬の命令》や各種2マナのカード、ふたつめのトークン生産はビートダウンというデッキのコンセプトに、そしてみっつめの能力は8枚投入される《変わり谷》などのクリーチャー化ランドと強力なシナジーを形成しています。

2.相手に攻撃を強要することができる

 1のような危険な能力を持っている《野生語りのガラク》を対戦相手は放置することができません。多少無理があろうとも、攻撃を仕掛けてこれを撃墜せねばならないのです。ということは、自動的に自分のガードが下がってしまう=他のカードの攻撃をそのまま受けてしまう、ということなのです。

 プレインズウォーカーの特徴は、クリーチャーによる攻撃か火力呪文でしか除去できないことにあります。防御一辺倒のデッキでは対処できないのです。このプレインズウォーカーというカードタイプが存在することによって、そのような防御一辺倒のデッキが存在しづらくなり、エキサイティングなゲームが展開されるようになったのです。そして、『アラーラの断片』ではいよいよ新たなプレインズウォーカーが登場します!

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時代を築いた伝説のカード
 赤緑のマルチカラーであること、そしてひとつめの能力がまず目につきます。赤緑で速攻!だなんて、《ヤヴィマヤの火》を思い出さずにはいられないというプレイヤーも多いのではないでしょうか。

 そして2番目の能力は先日のGPコペンハーゲンで大活躍した《脅しつけ》(実際に使用されていたのは《不本意な徴募》でしたが)そのものです。みっつめの能力が夢にあふれているのもいつもどおりですね。

 さて、この《サルカン・ヴォル》ですが、いかにして料理すべきでしょうか。

 やはりかつて《ヤヴィマヤの火》《ブラストダーム》という相方を見つけたように、《サルカン・ヴォル》の相方をカードリストのなかから発見するしかないでしょう。デッキ構築とは、すなわちカードリストとの睨めっこに他なりません。

 そして1枚のカードが見つかりました。

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 スタンダード、ブロック構築で現在も大活躍しているカードが、なんと《サルカン・ヴォル》の能力にひたすら噛み合っているのです!

 《苦花》を出しているプレイヤーが、うっかり召喚酔いしているはずのトークンで攻撃してしまうなんて場面、あなたも経験がありませんか?そしてしばしば「どんだけ《苦花》強いんだよ」という突っ込みを受けるわけですが・・・。

 《サルカン・ヴォル》はその「どんだけ強いんだよ」を実現してしまうのです。しかも「すべてのクリーチャーに+1/+1」のオマケつきで!強すぎる!さすが神話レア!

 他に相方がいないか探してみましょう。

 《脅しつけ》といえばやはり《大いなるガルガドン》・・・と言いたい所なのですが、残念ながらスタンダードから落ちてしまいます。ならば他に・・・と考えるとちょうどありました。

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 《ナントゥーコの鞘虫》です。

 《カメレオンの巨像》《目覚ましヒバリ》など、厄介なクリーチャーが出てしまったら奪い取って《ナントゥーコの鞘虫》の餌にしてしまえば良いのです。この攻防1体の能力は、プレインズウォーカーとしてはかなり優秀だと思います。

 ここまで書くと「あ、赤黒トークンか」と思いつくプレイヤーの方も少なくないのではないでしょうか。赤黒トークンとは、スタンダードの大会に行けば、必ず使用者が数人いてメタから切りはなすことができない根強い人気があるデッキです。《苦花》《湿地の飛び回り》から《憤怒焚きの巨人》を繰り出すという非常にシナジー色の濃いデッキです。このデッキが、《サルカン・ヴォル》の居場所として最も適していると考えられるのです。

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『韋駄天』


2 《偶像の石塚》
4 《鮮烈な湿地》
4 《反射池》
4 《婆のあばら家》
2 《火の灯る茂み》
4 《硫黄泉》
2 《山》
1 《森》
1 《沼》
-土地(24)-

4 《モグの狂信者》
4 《ナントゥーコの鞘虫》
4 《湿地の飛び回り》
4 《包囲攻撃の司令官》


-クリーチャー(16)-
4 《思考囲い》
4 《苦花》
4 《ゴブリンの突撃》
4 《サルカン・ヴォル》
4 《名も無き転置》
-呪文(20)-
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 《憤怒焚きの巨人》は、勿論強いのですが《サルカン・ヴォル》との相性を考えて《包囲攻撃の司令官》を採用しました。《湿地の飛び回り》もそうですが、これらのトークンばらまき系クリーチャーと《サルカン・ヴォル》の能力のコンボは非常に破壊力があります。

 今回もFrom the Vault: Dragonsのときと同様に、フォーマットは未来スタンダードで組んでみたのでアラーラの断片のカードが《サルカン・ヴォル》しか使えなくて残念・・・と思っていたら、そういえば「めったぎり!!」で凄いカードが紹介されてましたね!

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ゴブリンがすべて《ショック》に!
 まさに《苦花》8枚体制。

 《苦花》には、弱点と言える点はルーズライフくらいしかないのに対し、《ゴブリンの突撃》はそれなりのペナルティを抱えています。毎ターン攻撃が強制されてしまうということは書いてある以上に厳しいもので、ほとんど有効に使えないということも多いでしょう。

 しかしこのデッキであれば《ナントゥーコの鞘虫》《湿地の飛び回り》《包囲攻撃の司令官》などトークンクリーチャーを有効に活用する手段が数多くありますので自分よりはるかに強いクリーチャーに突撃していって帰らぬゴブリンとなっても有効利用することができるでしょう。とくに《包囲攻撃の司令官》の弾丸が供給され続けるという点は注目に値します。

 《サルカン・ヴォル》のひとつめとふたつめの能力ばかりを見てきましたが、みっつめの能力が決して弱いわけではありません。むしろ、とんでもない強さを秘めています。

 《サルカン・ヴォル》がみっつめの能力を起動し5体のドラゴンを場に出したとき、おそらく《サルカン・ヴォル》はその役目を終えて墓地に置かれるでしょう。そこで新たに2枚目の《サルカン・ヴォル》をプレイすると・・・なんと!先ほどの5体のドラゴンが突然5/5速攻となって対戦相手に襲い掛かります!これでは《神の怒り》も間に合いませんね。ちょっとカードを読んだだけでは気付けないテクニックですが、ひとつめの能力を仕様する機会が多そうであり、忠誠カウンターがたまりやすそうなので決して夢物語ではないと思います。

 デッキ名は、とにかく《サルカン・ヴォル》で加速しまくるクリーチャーたちをイメージしてつけてみました。《墓穴までの契約》でコントロールする趣向が強かったこれまでの赤黒トークンより、遥かに攻撃力・スピードがアップしていることが特筆すべき事項で、まさに「韋駄天」の名に相応しいデッキだと思います。

 《サルカン・ヴォル》からはこのようなデッキを作ることができました。しかしまだまだアラーラの断片にはあと3枚ものプレインズウォーカーが残っているのです!皆さんそれぞれで彼らの能力を100%活かしたデッキを作ってみて欲しいと思います。それでは!


face清水 直樹(しみず・なおき)

 プレイヤーとして日本選手権やGP京都でのトップ8入賞経験を持つ一方で、ライター活動にも精力的な関東の若手デュエリスト。国内はもちろん、海外のウェブサイトへの寄稿経験を持つ稀有な存在。

 また、独創的なデッキを構築するビルダーとしても有名。特に、青緑のカラーコンビネーションを軸としたデッキを好んで構築するため、青緑ギルドにちなんだ「シミックの王子」の二つ名で知られている。

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