第15回戦 「キラー・クイーン」
ギョーム・ワフォ=タパ(フランス) vs. アーロン・ニカストリ(オーストラリア)
トム・ラピル(Translated and touched by 梅咲直瑛)
それまで構築戦においてその強さを知られ、"天才"と呼ばれていたギョーム・ワフォ=タパ(フランス)だが、今年2月にリミテッド戦で行われた『プロツアー・クアラルンプール』においてTop8入賞を果たし、その才能が非凡であることを証明してみせた。
本大会においても、ここまで10勝3敗1分と好調を維持しており、このラウンドを含む残り3ラウンドを2勝1敗で終えることが出来れば、彼にとって3度目となる『プロツアー』Top8進出となるだろう。
そして驚くべきことなのだが、いつも自作のデッキを使用している彼が、自作ではないデッキを使用しているという事と、そのデッキカラーだ。 ワフォ=タパがこのトーナメントで使用しているのは『マジックオンライン』の世界ではその名が知られるマヌエル・ブッチャーが製作した『5色コントロール』。《鮮烈な小川》や《反射池》によって、そのカラーボードは支えられており、全ての色のカードをプレイする色鮮やかなデッキとなっている。
対するアーロン・ニカストリ(オーストラリア)の使用するデッキは、《苦花》《ガイアの頌歌》を搭載したタイプの『緑黒エルフ』。ここまでの成績は10勝4敗で、Top8進出には残るラウンドを全勝することが最低条件となっている。
控えめなキャラで売っているワフォ=タパが、「ダイスロールでいいですか?」と席に座ってから初めてその重い口を開く。 ダイスロールの結果、アーロンの先攻。アーロンが1マリガン、ワフォ=タパは初手をキープして第1ゲームが開始された。
第1ゲーム
アーロンは《レンの地の克服者》《ラノワールのエルフ》とテンポよく展開するが、3枚目の土地が引けず微妙な状態。 一方のワフォ=タパは色鮮やかな土地から繰り出す《炎渦竜巻》でとりあえず場を一掃して、想起による《熟考漂い》でドローを進めるという順調な展開。
アーロンは現在【2/3】である《タルモゴイフ》を場に繰り出し、《変わり谷》と一緒にビートダウンを開始するが、他に有効なアクションを起こすことができず芳しくない。 そして、ワフォ=タパが《根の壁》を出し、青マナを出すことが可能な土地を3個アンタップしている状態でアーロンに返す。
怪しい。…というか、どこからどう見ても《謎めいた命令》の構えである。
アーロンは小考の後、《変わり谷》《タルモゴイフ》でのアタックを決行するが、待っていたのは予想していた《謎めいた命令》ではなく《その場しのぎの人形》!
先ほど想起した《熟考漂い》が墓地から場に出て、場にでた時の能力によって2ドローしながら《変わり谷》を相打ちにとる。
《タルモゴイフ》と2枚の土地しかパーマネントが無い上に、圧倒的なカードアドバンテージ差をつけられてしまったアーロンに勝機はなかった。
ワフォ=タパ 1-0 アーロン
第2ゲーム
先攻を選択したアーロンの《思考囲い》によって、ワフォ=タパの初手が公開される。
《叫び大口》《台所の嫌がらせ屋》《妖精の女王、ウーナ》《その場しのぎの人形》、土地×2
第1ゲームで喰らった悪夢のような出来事からくるイメージからか、アーロンは《その場しのぎの人形》のディスカードを選択する。
そして、試合は動き始める。 まず、お互いに《台所の嫌がらせ屋》をプレイ。次の戦闘で相打ちになり、頑強能力によってお互いの場に-1/-1カウンターが乗った状態で戻ってくる。 アーロンは《台所の嫌がらせ屋》2号と《ラノワールのエルフ》を戦線に追加してターンエンドを宣言するが、ワフォ=タパはノーアクションでアーロンにすぐターンを返す。
アーロンは考えた。ワフォ=タパには《謎めいた命令》をプレイできるマナが残っており、それを実際に持っていたらどう使ってくるだろうか?
おそらくだが、戦闘ダメージが乗った後に既に-1/-1カウンターが乗っている状態の《台所の嫌がらせ屋》をバウンスして使い回してくるであろう。そんなアーロンの予想どおりに試合は進み、ワフォ=タパの《謎めいた命令》に対応して《名も無き転置》を《台所の嫌がらせ屋》に打ち込み、そう簡単にワフォ=タパの思うようにはさせない。
しかし、ワフォ=タパは《熟考漂い》プレイでドローを進め、爆弾カードである《妖精の女王、ウーナ》を場に投下。 《叫び大口》《名も無き転置》といった除去カードに耐性があり、ほぼ除去は不可能なカードである。 アーロンはダメージレースで勝つしかなくなったが、まだワフォ=タパのライフは16も残っており明らかに劣勢な状況へと追い込まれた。
アーロンは《思考囲い》で《叫び大口》《ルーンのほつれ》《謎めいた命令》というワフォ=タパの手札を確認すると、そこから《叫び大口》のディスカードを選択。 《タルモゴイフ》と《叫び大口》を場に追加して、決死のフルアタックを仕掛ける。そして、2回目のフルアタックはワフォ=タパのライフを5にまで削るのだが、《タルモゴイフ》を失ってしまう。
ほぼ万策尽きたアーロンは、引いてきた《ガイアの頌歌》を場に追加して3回目となる決死のフルアタックを仕掛けるも、女王の魔法が生み出すトークン軍団の前に戦闘の結果は圧敗。ついに、1点のダメージもワフォ=タパに通らなくなった。
《妖精の女王、ウーナ》と10枚の土地をコントロールしているワフォ=タパは、貧弱なアーロンの戦線に対してもまったく隙をみせない攻撃で、女王とそのトークン達の軍勢によって勝利を収めた!
ワフォ=タパ 2-0 アーロン
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