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05/23 10:47
ラストチャンス予選 デッキリスト
ビル・スターク
358人によるラストチャンス予選は木曜の午後に行なわれた。人数を見ても、長丁場になる事が予想された。10回戦終了後、下の4人のプレイヤーが生き残り、翌日の本戦に進む事になった。彼らの戦績はおいおい追いかけるとして、まずは彼らのデッキをご紹介しよう。
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James Gates, Merfolk Pro Tour-Hollywood LCQ, Top 4
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Matt Sperling, Green-white Ramp Pro Tour-Hollywood LCQ, Top 4
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Mauricio Blanco, Faeries Pro Tour-Hollywood LCQ, Top 4
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Filippo Kratter, Faeries Pro Tour-Hollywood LCQ, Top 4
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05/23 11:02
Roll It!
テッド・クヌートソン
カリフォルニア州ロサンゼルス。この街にはプロツアーの歴史が刻まれている。歴史上の最初の第一歩は、96年にショーン・レグニアがハンマーをトミー・ゲヴィンに叩きつけたことから始まった。1年後、再びプロツアーが巡ってきたときには、フィンランド人のトミー・ホヴィが決勝でデビッド・ミルを打ち破り、彼の2つめの栄冠を持ち帰ったのだった。ここでプロツアーの勝者となったのは歴史上6人。ホヴィ、ルーエル、OMSといった伝説上の人物が、天使の街ロサンゼルス近郊でマジック界最高の栄誉を手にしたのだ。
今回、プロツアーはあのハリウッドで行なわれる。電飾に彩られた街並みを駆け抜け、百万ドルの景色、金で買いうる限りの高級車、それにゴージャスな女性たちを目にすることができるあの街だ。それも沢山、街中のそこかしこで。
──まあ、マジックをプレイするのには関係ないがね。
「じゃあテディ、何が関係あるのさ?」
例えばフォーマットはどうだい。スタンダード、そうスタンダードだ。オンラインのメタゲームよりはるかに多様性をもつ世界。エルフ、赤緑、フィッシュ、赤単、それに何といってもフェアリー。この辺りは間違いなく今週末のイベントにいるだろう。きらびやかな街中から飛び込んだら、そこは妖精達の戦う戦場だ。
伝説についてなんてのも興味深い。ジョン・フィンケル、ズヴィ・モーショヴィッツ、アラン・コマー、それにYMGの面々(デイブ・ハンフリーとか)も参戦している。ガブリエル・ナッシフや斎藤友晴、津村健志にルーエル兄弟、マーク・ハーバーホルツといった生ける伝説達も、賞金とマジックの栄光をかけて呪文を飛ばしあうのだ。
忘れちゃならないのはデッキビルダーたちだ。マッド・ハッター、パトリック・チェーピンは今週末、彼の奇想天外なデッキを楽しみにしているチームメイトとともにここに訪れた。ズヴィ・モーショヴィッツとアラン・コマーはニューヨークの若手(スティーブ・サディン、クリス・ラハマン、ヤコブ・ファン・ルーネン)と手を組んで、環境を支配しうる2つのデッキで挑んできた。(ジョナサン・マジックもそのデッキを使っている)日本に目を向けると、斎藤友晴は一つの回答を見つけ出したようだ。人気の高い藤田剛史は来ていないが、プロツアー・プラハの勝者大澤拓也らが彼の組んだデッキでこのプロツアーに現れた。
他に? 他にもいろいろあるだろう。ここに来ているのは、マジックを心ゆくまで楽しむためだ。この週末を満喫して、スタンダードの極限を味わい、フィーチャー・マッチでの勝敗を楽しみ、ビデオやポッドキャストなどのカバレージを見て、凄い量の素晴らしい写真を目にすることができる。
さて、脳内で延々リピートされているウィーザーのビバリーヒルズを止めるために何とかしてくるかな、っと。
05/23 15:05
ディーラーの言葉
デーン・ヤング
巨大なグリーマックス様の前を通り、参加受付を過ぎたところに情報の宝庫が存在する。
あらゆるマジックのイベントにおいて、ディーラー・ブースはトーナメント・プレイヤーの生命線である。それなくしては、多くのデッキは完成しないであろう。プレイヤーがカードを求めて緊急発進する先、それは、プロツアーであれ、予選であれ、あるいは単に手に入れた貴重なカードを守る詰め物として使うものであったとしても、向かう先はディーラー・ブースに違いない。
今週末のプロツアー・ハリウッドはスタンダード構築で、サイドイベントのプロツアー予選はローウィン-シャドウムーア・ブロック構築で、そうなると人気のあるカードへの集中は凄まじいものになる。
例えば《苦花》は木曜日大人気商品だった。ラストチャンス予選とプロツアー本戦、どちらもスタンダードなのでフェアリー・デッキのパーツとして(あるいはエルフその他のデッキでも)必要なカードだからである。金曜日になってしまうと《苦花》は売れず、ディーラーたちは落胆することになった。
Gamingetc.comのミッチェル・コーブによると、一番人気は赤と緑のカードらしい。《火の灯る茂み》、《原初の命令》、《残忍なレッドキャップ》、《恨み唸り》、《大爆発の魔道士》、《台所の嫌がらせ屋》といった辺りだ。《台所の嫌がらせ屋》に至っては50枚以上売れたという。
シャドウムーアの混成土地は全部売れたが、中でも《火の灯る茂み》は一番だったと。
「《火の灯る茂み》を持ってたら、言い値で売れただろうさ」とのこと。
他にも予想外の売れ行きを示したカードがあって、例えば《憤怒焚きの巨人》は数人のプレイヤーが買ったのだけれど、8枚16枚とそれこそ大量に買っていったのだそうだ。何か新しいテクニックでも見つかったのだろうか?
赤や緑のカードがよく売れたとは言え、PTQの世界は多種多様だった。赤緑とフェアリーは流行っていたが、他にもゴブリン、多色キスキン、中量級黒緑、アグロ緑白なども見かけられた。
デッキ1つを取り上げるなら、5色エレメンタル・コントロールがあった。ローウィンやシャドウムーアのレア土地(《婆のあばら家》《火の灯る茂み》《偶像の石塚》《反射池》)、それに《大爆発の魔道士》、《恨み唸り》、《残忍なレッドキャップ》をつめこんでいた。《熟考漂い》や《叫び大口》と《その場しのぎの人形》のような相互作用でカードアドバンテージを得ようというコンセプトだ。コントロールに対しては《大爆発の魔道士》と《その場しのぎの人形》で。ビートには《残忍なレッドキャップ》と《叫び大口》で対処するわけだ。
確実な事は、このPTQシーズンは面白いぞと。まだあと1セット残っているというのに!
05/23 15:15
ラストチャンス予選をほげほげと
ビル・スターク
ほぼ400人のプレイヤーが、このプロツアー・ハリウッドへの参加権を求めてこのイベントを訪れ、そしてラストチャンス予選に挑んだ。しかし勝ちのこったのは幸運な(そして疲れ切った)4人のプレイヤーだけだ。彼らは最後まで闘い抜き、そして金曜の大会に参加するために早起きする権利を得た。この4人は様々なデッキを使っており、また様々な地域から来ている。ラストチャンス予選について、プロツアーでの希望について、そして彼ら自身について、カバレッジ・チームは彼らに取材を試みた。
 | | イタリアのフィリッポ・クラッターは飛行機の都合がある。 |
フィリッポ・クラッターはイタリアはヴェニスの近く、サッパーダから、スノーボードをしにアメリカに来た。彼が勝ち残れたのはスタンダードを席巻している脅威、フェアリーのおかげだという。
「マジック・オンラインで試してみて、これならいけると思ったんだ」『ミラーマッチ対策はどうしました?』という質問に、フィリッポは「サイドボードに《思考囲い》と《滅び》を入れてあるよ」と肩をすくめる。このイタリア人はプロツアーに参加する予定はなかったのだが、彼が乗るつもりだったイタリアへの便に乗り遅れてしまったのでプロツアーを覗いてみようと思ったそうだ。問題が1つあって、彼の次の便は金曜の晩9時半発。そう、金曜、プロツアー初日だ。「ラストチャンス予選に出たのは、チケットの振り替えができるからだと思ったんだけど、確認してないんだよね」とクラッターは言う。もし彼が飛行機のために途中退出すると聞いたら、ラストチャンス予選のトップ8のうち脱落した4人が怒るのではないか、と。「まあ、もう一回チケットを取ってみるよ。アメリカン航空に電話してみる」
 | モリソー・ブランカはこのトーナメントに 一番近いプレイヤーだったかも |
もう一人フェアリーで勝ちのこったのは、地元カリフォルニア州はロングビーチ在住のモリソー・ブランカだ。彼が勝利を掴んだのは、サイドボードに潜ませた《巣立つ大口獣》と《残忍なレッドキャップ》をおいては語れない。《巣立つ大口獣》はフェアリーのミラーマッチ対策としてずばりと刺さり、シャドウムーアで登場した《残忍なレッドキャップ》は《月の大魔術師》への対策だ。フェアリー・デッキには基本土地はほとんど入っていないもので、しばしば《島》4枚しか入っていないことさえある。そうなると《月の大魔術師》はまさに天敵そのものだ。だがここで登場するのが《残忍なレッドキャップ》。《月の大魔術師》の能力で《山》になった土地から赤マナは出せるし、もし《月の大魔術師》がいなくても混成カードなので  なら支払えるのだ。
ラストチャンス予選と本戦でデッキを変えるかと聞いたところ、「イベントの種類が違うから、当然変えたさ。ラストチャンスではフェアリーのミラーはほとんどなかったけど、プロツアーならもっとフェアリーが多いだろうからね」ブランカにとって今回は2度目のプロツアーだが、普段の職場からたった5分のドライブでつくという。彼はさらに、このイベントに向けてそれほど準備はしていないと告白した。せいぜいFNMに参加する程度だと。他の人と違いがあるとすれば、サイトで出会ったプレイヤーと朝5時半までテストプレイをしていたことぐらいだという。その疲れがプロツアーに影響しないかと聞いたところ、「ないわけじゃないね」と朗らかに答えるのだった。
 | | マット・スパーリングは彼の(学校の)色を見せている |
ラストチャンス予選通過者あと2人は、ジェームス・ゲイツとマット・スパーリングだ。この2人は幸運にも、プロツアー前にお互いに調整することができていたという。しかし、彼らが同じデッキを使っていたというわけではない。マットはカリフォルニア人の間で流行っている緑白ランプデッキで、ジェームズはマーフォークの対コントロール構成のデッキだった。ゲイツが最初0-2スタートだったとき、彼の挑戦は失敗したと思われていた。
「何も変えちゃいない、ただできることをやる」UCLAの学生でもあるゲイツは自分のデッキの可能性を惜しみながらそう言った。「サイドボードにあった《忘却の輪》2枚を削ったんだ……確かそうだ」これはゲイツにとって2度目のプロツアーだったが、予選通過回数は8回にも及ぶ。彼には他にも色々とやることがあり、プロツアーまで行くことはなかなか困難だった。しかし、今週末彼がプレイすることを楽しんでいるのは疑う余地もない。望みどおりに行かなかったとしても、だ。
彼のテスト・パートナーであるマットは緑白ランプで、彼よりもいい成績をあげていた。3回戦終了時に話を聞いた。『ラストチャンス予選で彼はどんな感じですか?』「赤相手に《神の怒り》とかダメだろ……赤によく効く《台所の嫌がらせ屋》に差し替えるようにしたんだ。あと、《耳障りな反応》をもう一枚入れてフェアリー対策だね」それでもなお、フェアリーは嫌な相手だという。メタゲームの中心でもあるデッキと相性が悪いデッキでトーナメントに出るのは無謀にも見えるが、スパーリングは高名なプロと話していい感触を得たという(ポール・チェオン、ルイス・スコット=バーガス、マーク・ハーバーホルツ、ガブリエル・ナッシフ、パトリック・チョピンといったプロとテストプレイをしたそうである)。
10ラウンドにも及ぶマラソンを勝ち抜き、昨夜出場権を勝ち取った彼ら4人。彼らは金曜日を通してどんな成績を残すだろうか。疲れてはいるものの、この大イベントの栄光の舞台に立てた喜びを噛み締めているに違いない。
05/23 15:45
勝利に向けて
ネイト・プライス
個人的な目標として……もっと正直に言えば自分の名前と顔を売る試みとして、私はこれらのイベントを意識したちょっとした調査をしてみた。つまり、最近の構築イベントで結果を残しているプレイヤーの一覧を作ってみたのだ。高レベルの構築戦で勝利することはそう簡単ではない。環境は広く開かれており、デッキに組み込める内容はどうやっても取捨選択が必要になる。色々なフォーマットがある結果、プレイヤーを地獄へと誘い込んでいく。環境には多くのデッキが存在し、つまりそれはそれらのデッキに対処しなければならないということである。構築のプロツアーに、あらゆるデッキの情報を知ることなしに挑むのは、銃撃戦に振らすナックル一つで挑むようなものである。運がよければ勝てる可能性がないわけではないかもしれないが、そのためには数知れない銃弾を掻い潜る必要があるだろう。
サム・ステインは去年から構築で結果を残している。彼は黒緑デッキを繰り、去年の世界選手権、スタンダード部分を5-0で駆け抜けた。その後、エクステンデッドで行なわれたプロツアー・バレンシアでもトップ8に入っている。明らかに、彼は今までに比べて今回のトーナメントでは準備に力を割いていない。「以前みたいにマジックばかりプレイしてるってわけじゃなくなっちゃってるね。フェアリーを使おうと思ってる。うん、フェアリーで満足してるよ」ラウンド3が終わって1-2と、サムはなかなかエンジンがかからないようだった。「相性悪いデッキと当たっちゃったんだ。赤と当たって完封された」バレンシアの優勝者レミ・フォーティアもフェアリー・デッキで、1-2と苦しんでいた。その一方で、GP静岡でトップ8に入った津村健志は同じくフェアリーで2-1のスタートを切っている。
クリストフ・フーバーの黒緑デッキは、既にフィーチャー・マッチでも取り上げた。エルフはこの予選シーズン中、スタンダードのメタゲームの中にありつづけたデッキである。シャドウムーアによっても、このデッキはあまり変化を遂げなかった。《台所の嫌がらせ屋》が追加されたことは最大の変更点で、今までのところ非常に有効だ。ライフを得ることと頑強の組み合わせは、あらゆるデッキにとって障害となりうる。フーバーの世界選手権トップ8は、スタンダードにおける彼の記録の上にある。彼がプレイしていたのは緑黒のプレインズウォーカー・デッキで、同じカードが大量に入っている。フォーマットは変わったが、彼の勝利は変わらない。彼は現在、2-1の成績を挙げている。
興味深い事に、「構築戦最強」ギョーム・ワフォ=タパ、ルーエル兄弟、マヌエル・ブッチャーは5色コントロール・デッキを使っていたが、これはなんとワフォ=タパの手によるものではなくスイス・ボーチャードの手によるものだという。そのデッキは言うなら、「カードを引いて、手当たり次第に優秀なものを除去して、カードを引いて、相手を倒す」というものだった。私は世界でもっとも5色コントロールを愛するプレイヤーの一人だろうが、このデッキについて耳にしたら実際に動いているところを見たくて仕方なくなった。最初は《ガイアの祝福》頼りに見えて失望したが、その後《原初の命令》が走っているのを見て満足できた。もちろん、彼らは優勝を目指している。実際、ワフォ=タパとボーチャードは3-0、ルーエル兄弟はそれぞれ2-1と好調な滑り出しを見せている。
最後に取り上げるのは浅原晃だ。彼はグランプリ静岡でトップ8までいったヒバリデッキを改造して挑んできた。このデッキが手に馴染んでいて、数知れない対戦をこなしてきた事からか、彼は今週末3-0と快調に飛ばしている。慣れたデッキを大切に育てて、環境の変化に順応させていけば新しい環境でも結果を残せるということを示しているのだ。
05/03 16:51
フォーマットに関する一考察
デーン・ヤング
マジックのこのレベルの大会でいつも顔を合わせる連中と喋っているうちに、スタンダードというフォーマットに関していくつか洞察されることがあった。
アメリカ王者のルイス・スコット=バーガスはアグロ緑白を使うことに決めた。このフォーマットにはフェアリーとアンチ・フェアリー・デッキが大量にいることを予想したうえで、ルイスはフェアリー・デッキとも互角に戦うことができ、かつアンチ・フェアリー(赤単、赤緑アグロ)デッキを食えるデッキを選んだのだ。
彼の予想を裏切ったこととしては、「フェアリーに歯が立たない」ヒバリデッキが環境に存在した事だ。ヒバリデッキに負けたとはいえ、そんなデッキはそうそうないと割り切って受け止め、5ラウンドを3-2と勝ち越した。
 | | 失敗の値段を示すザック・ホール |
直前のエクステンデッド・シーズンに行なわれたグランプリ・バンクーバーで、チームメイトのベン・ランドクビストにトップ4で(青緑トロンのミラー・マッチで)敗れたザック・ホールは、メインに3枚《思考囲い》を刺したフェアリーで参戦している。
白い水玉のついた黄色のブラウス(これはバンクーバーでランドクビストに負けた償いなんだそうだ)を着て、ザックは彼のチームは30〜40パーセントはフェアリーで、次は赤単、それからエルフ、ドランが会場に多いだろうと予想していたと語る。彼のプレイテスト・チームでは、2人がエルフを、2人が赤デッキを、残り8人がフェアリーを使い、小型飛行生命体の威力を重視していた。彼曰く、フェアリーのミラーマッチは人々が考えるよりもずっと技術的な話だという。ただし、片方にだけ《苦花》が出ているという状態を除いては。なのでそうならないように、積極的にマリガンをする必要が出てくるのだと。
ザックは「これがトーナメントを制するかもな」といえるデッキを選んだ。それは彼の言葉を借りれば4〜5色で《雲打ち》《炎渦竜巻》《熟考漂い》《その場しのぎの人形》その他の入っている、マヌエル・ブッチャーのデッキだった。ザックは5ラウンド終了時に4勝しており、あと1勝で土曜日への進出が確定する。
レベル8にして殿堂者のラファエル・レイビーも、フェアリーでこのトーナメントに挑んだ一人である。彼はこの週末に見ているデッキはフェアリー、黒緑エルフ、赤、ヒバリ、とほぼ予想通りだったというが、やはりフェアリーが少なかった事には戸惑っているようだった。
ラファエルは5ラウンド終了時に3-2の成績だった。
最後に、第5回戦のフィーチャー・マッチであったサプライズ・ゲストからの必殺の一撃を紹介しよう。日本のスーパースター浅原晃がヒバリデッキを使っていて、相手はサンディエゴの覇者クリス・ラハマン、繰るデッキは赤緑中量級。第3ゲーム、ラハマンは3ターン目に《原初の命令》をプレイ(《極楽鳥》と《ラノワールのエルフ》でマナを加速させて)。浅原の《反射池》をライブラリのトップに戻して、あとは《燃え柳の木立ち》と《根の壁》。そこで持ってきたのは……《シヴ山のドラゴン》!?
クリスの顔が輝き、この古典的・象徴的な巨大クリーチャーを場に出した(殿堂者ズヴィ・モーショヴィッツ以外の誰がこれを実戦投入しただろう?)。観客の驚きはあなたの想像の通り、すごいものだった。
《反射池》を失った浅原は防御の機会もなく、一撃で6点、さらに7点とダメージが重ねられ、浅原は投了せざるを得なかった。本命はあの、古の、巨大クリーチャーだったのだ!
クリスは上機嫌に、彼のチームが如何にしてこのデッキに達し、スタンダードをどう見ているかを語ってくれた。彼らはフェアリー、アグロ赤、アグロ赤緑、エルフを警戒していた。そこで、メインデッキでフェアリーと赤緑を対策。そのために《ラノワールのエルフ》と《極楽鳥》を投入し、《災難の大神》や《田舎の破壊者》、《カメレオンの巨像》を素早く出す方針を決めた。サイドボードには《炎渦竜巻》を入れ、フェアリーや赤デッキに対する強化とする。そしてサイドボードには《原初の命令》2枚。これは赤にも効くが、それにもましてサイドボードに1枚挿しの《雲打ち》や《シヴ山のドラゴン》を出すためのものだというのだ。
デッキに入っている興味深いカードとしては、他に《月の大魔術師》がある。1ターン目に《ラノワールのエルフ》や《極楽鳥》を出していれば、2ターン目に《月の大魔術師》を出してフェアリーを抹殺できるのだ。そうでなくても、基本でない土地が反乱しているこの環境では充分な効果をもたらしてくれるだろう。
彼はこれほどヒバリがいるということに驚いていた。何といってもフェアリーに不利すぎるはずなのにと。それはともかく、彼の選択は間違っていなかった。ラウンド5終了時点で4勝を挙げており、あと1勝するだけで初日を通過できるのだから。
05/23 17:35
デイブ・ウィリアムスのピカピカ☆エレメンタル
ビル・スターク
 | | 目が、目がぁぁ!! |
スターの街として知られるここハリウッド。そのハリウッドで開かれているプロツアーもまたスターの世界、マジック界のセレブたちが集い、スタンダードという舞台で戦っている世界である。ぱっと見て目を引くプレイヤーとしては、デビッド・ウィリアムスがいる。この世界クラスのマジック・プレイヤーは単に栄冠を求めるだけでなく、彼のスタイル、つまり全フォイルのスタンダード・デッキを使うというスタイルを貫いているのだ。そう、全フォイルである。全てのカードがプレミアム、光り輝くフォイルのカードなのだ。
しかし、単にそれだけではない。彼のデッキに入っているカード全てがフォイルというだけではなく、スタンダード環境で彼が持っている全てのカードは、色々なバラエティに富んでいることを明記しておきたい。車が買えるほどのお金を費やし、彼はこのフォーマットで使えるあらゆるカードのフォイルを手に入れている。「いや、普通のカードでもいいんだけど、どうせならフォイルだろ、みたいなね」世界選手権トップ8の実績を持つ男はそう言う。プロツアー・ホノルルの王者マーク・ハーバーホルツは「世の中にはやりすぎってこともあるんだぜ!」と笑った。
そして、ウィリアムスがマイク・ロングとそのパートナーのデビッド・ミルズのためにデザインしたデッキがある。それはエレメンタルをテーマとしたもので、やはり彼らしい目を惹くカードが入っている。《落とし悶え》と《活力》である。6/6はこの環境にあるクリーチャー・デッキを圧倒するサイズであり、デイブの他のクリーチャーで止めたところでダメージは軽減されて+1/+1カウンターに変わってしまうのだ。結果を聞いてみた。「1-3。」彼は恥ずかしげに答えるのだった。
デビッドの次の参戦予定を聞いてみた。「ベルリンと世界選手権。ベルリンは行けたら行くってところだけど、世界選手権は行くよ。メンフィス? バーベキューと音楽の? まぁ、それよりマジックだね!」
05/23 18:15
ブラボー人気カード2008
ジョシュ・バネット
4回戦の間に上位40人ぐらいのテーブルを見て回り、見かけた興味深いカードをメモっておきました。その中でもハイライトをお見せしましょう。
《神の怒り》
白の《滅び》。このカードを忘れたなら、もう一度覚えておいてください。もし誰も使ってなかったとしても。クリーチャーで攻撃するデッキは《神の怒り》で一掃されることを考えておく必要があります。もうそれは決まり切った感じで。黒緑中量級、赤緑アグロ、ドランあたりが大量にいるので、この禁断のソーサリーが再び脚光を浴びる時がきたのです。
《民兵団の誇り》
平地といえば、(勇敢? ゆんゆん? 優秀?な)プレイヤーが数人、白ウィニーを使っています。要はキスキンですね。《民兵団の誇り》は《苦花》の代わりとして充分ですし、展開次第ではそれ以上に働きます。
《災難の大神》
一撃必殺の武器を求めてるならオススメはこれ。《災難の大神》。《薄暮の大霊》の影の中、インスタントの援護射撃を受けた《災難の大神》の巨体が襲いかかります。赤緑デッキなら素早くこれを出す方法もあり、相手にブロッカーがいないときならもうまさにメロメロになってしまうでしょう。
《神秘の指導》
去年のスタンダードへの時の扉を誰かが開いてしまったのかもしれません。フェアリー・デッキがミラーマッチを制するために、コントロール重視へと舵を切りました。そうすると、この方向は非常に優秀です。テフェリー?それも一興。メタゲームはこれで変わるほどに変動しているんでしょうか?
《憤怒の鍛冶工》
これは初登場時から、ドラフトではプレイヤーを魅了してきました。そして今はそれ以上を望むときです。第3ターンに強烈なダメージを与えられますし、他のロードたちと違ってそのボーナスはクリーチャーに残ります。何より、これでやられたらいやーな気分が残るってもんですよ。
《思考の粉砕》
対象になったプレイヤーは、暫くは墓地を恨めしげに見つめることでしょう。「ああ、これ使おうと思っていたのに」とね。さらに、相手が充分不幸なら、土地を引いてしまって何もできないって可能性もありますね。御伽話のようですが、中量級デッキがアグロデッキ相手に食らったら立ち直れないほどの打撃ですよ。
絵違いの《恐怖》
うん。《カメレオンの巨像》には当たらないけど、それはともかくいいカード。
05/24 11:37
1.21ジゴワット
ネイト・プライス
マジックに何が起こってしまったんだ! 私は正気だ!
ウルザズ・デスティニーのプレリリースに遅れてしまったか?
「すたっく」って一体何のことだい?
 | | Reigning World Champion... Kai Budde? |
ローウィン・ブロックのおかげで、部族デッキが再び勢力を取り戻した。ちょうど10年前、私はうちで円卓を囲み、多人数戦でエルフでぶいぶい言わせていたんだ。《ティタニアの僧侶》と《覚醒》で《Ritual of Subdual》を使うデッキとか知ってるかい? そういうデッキがあって、凄かったんだよ。《マンタ・ライダーズ》を第1ターンに出して、2ターン目に《アトランティスの王》、さらに3ターン目には《不安定性突然変異》と《沈める都》を出すってのは? あれは凄かったよ。いい思い出だね。まあ、時は流れて、今はもっと競技的なマジックを刷るようになった。そういったデッキは《ドルイドの誓い》デッキや《繰り返す悪夢》+《適者生存》デッキに勝てないってことも判った。大人になって、子供時代のことは忘れてしまったのさ。
ローウィンの世界は、子供のころの夢を思い出させてくれる。環境を見てごらん、今はプロツアーの2日目で、こんな話し声が聞こえてくる。
「今の試合どうだった?」
「俺のフェアリー・デッキがエルフ・デッキにぼこぼこにされちゃったよ。20体ぐらいクリーチャー入ってるんじゃないか、あれ」
「ふふふ、ゴブリンで相手のマーフォークを蹴散らしてやったぜ」
世界のトップ・プレイヤーたちが、私が子供のころに遊んだデッキの延長線上にあるデッキで戦っているんだ。今マジックの世界は1999年と同じような世界で、誰にでも門戸は開かれている。さあ、座っていないでドラゴン・デッキを持って。再び輝けるときはまさに今なんだ。
05/24 14:38
プレイヤーの目
トム・ラピル
今回のプロツアー、金曜の時点では私はプレイヤーでした。しかし初日の結果が望ましくなったので、今日からはカバレッジ・チームの一員として働くことになりました。私の視点について、またプレイヤーの視点からのメタゲームの話について書いてくれと言われていたのです。メタゲームの組み立ては昨日の結果を見てもなお不明瞭でしたが、今日の第1ラウンドの間にテーブルを見て回ったことでいくらか状況が見えてきたように思います。
このトーナメントの準備を、私はまずこのフォーマットにはびこっているフェアリーから始めました。誰が見てもこれは最強で、避けがたい脅威をどう凌ぐかだけが問題だと思われていたのです。しかし私の目からは違いました。先々週行なわれたスターシティゲームスのスタンダードで、ゲーリー・トンプソンとベン・ウィーンブルクのデッキと対戦した後、そのデッキはほとんど純粋なコントロール・デッキだと考えました。もっともよくある脅威は、そう恐いものではありませんでした。《突風線》と《雲打ち》は飛行クリーチャーにはよく聞きますが、コントロール・デッキの視点からは《神の怒り》と同じようなもので、そう恐れるものではないのです。
私にとっての問題は、そのデッキがそう強いと思えなかった事です。最初の数ターンの《祖先の幻視》や《苦花》に頼りすぎで、それらがなければ平凡なデッキに成り下がってしまいます。結果的に、私の考察はサイドボード・カードの対策はそう効かないという部分ではあっていましたが、デッキの不整合という点では間違っていました。津村健志やパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサといったプロツアーの常連たちはこのデッキを使い、結果を残しています。フェアリーが最強かどうかは、まだ審判が下されてはいないと言えるでしょうが、いずれにせよ多くのプレイヤーが使っていることは間違いなく、サイドボードの対策は効かなかったと言えます。私自身それで結果を残せていないのですから、次に行きましょうか。
次に注目したのは赤デッキでした。スターシティゲームスの2千ドルトーナメントでエヴァン・アーウィンがトップ8に入賞した、クリス・ナイバーの作った赤デッキがあるので、これを見ましょう。ゲーリー・トンプソンは緑を散らして《タルモゴイフ》や《カヴーの捕食者》を入れて《台所の嫌がらせ屋》や《原初の命令》に対処するように提案してきましたが、いろいろマナのバランスを試してみても必要なマナを出すことはできませんでした。《燃え柳の木立ち》は《カヴーの捕食者》と相性抜群ですが、相手にライフを与えてしまいます。《火の灯る茂み》は最初のターンでなければいいのですが、最初のターンに《ぼろ布食いの偏執狂》を出せません。緑をプレイするということは、クリーチャー化する土地は5〜6枚しか入れられなくなります。赤単色なら8枚は必要です。ということで、緑は諦めて赤単に戻ることにしました。
木曜の夜にクリス・ナイバーを直撃し、お互い赤を使っているのだから、ということで皆の前から姿を消し、密談を始めました。メインデッキの選択肢はそう広くありません。しかしサイドボードには選択肢があります。私は《台所の嫌がらせ屋》《原初の命令》《ブレンタンの炉の世話人》と当たりまくって、初日3-5で敗退しました。なお、ナイバーは何とか5-3で2日目に進出しています。
ともかく、赤デッキで結果を残しているプレイヤーもいるのです。初日上位24人野中には、殿堂入りしているロブ・ドハティやダーウィン・キャッスルが《カヴーの捕食者》入りの赤緑を使い、ギリアム・カーディンはよりコントロール寄りの赤単を使っていました。私は《恒久の拷問》をサイドボードに入れ、緑デッキのライフゲインに対処しようとしていたのですが、他の選択肢を自ら捨てていたことに気付きました。ユア・ムーブ・ゲームスのデッキは《カヴーの捕食者》や《大いなるガルガドン》、《田舎の破壊者》などのクリーチャーを使ってライフゲインに立ち向かい、ライフを得られても気にしないようにしていました。どちらの選択が正しかったのか、結果を見れば一目瞭然でしょう。
もしこの週末をもう一度過ごせるのなら、マヌエル・ブッチャーの5色「Quick'n Toast」デッキを使っていたことでしょう。《反射池》とローウィンの鮮烈シリーズを使い、今までにない勢いで回る多色デッキです。このトーナメント前にそのデッキについては知っていました。このデッキを作ったマヌエル・ブッチャーは、環境にある良いカードを詰め込みました。このデッキがまた面白いのです! ブッチャーのデッキテクはビデオで公開されていますが、このデッキリストを見てもどうなっているのか判らないでしょうが、実際に見てみれば判ります。
マヌエルは《思考の粉砕》を、《反射池》2枚、《鮮烈な林》1枚、《秘教の門》1枚、《菌類の到達地》1枚から出しました。相手は同じような中量級青黒緑マネキン・コントロールで、2色少なかったのです。このほぼミラーのマッチはまさに蹂躙というものでした。マヌエルがゲームを制するのにはそう時間はかかりませんでしたが、結果は言うまでもありません。ブッチャーやフランス人がこのデッキをどう回すのか、地区選手権に向けてのテクになりうるのか。それはこれから先トーナメントを見ていけば判るでしょう。
05/24 15:10
ねじれたりかえしたり
デーン・ヤング
スタンダード形式の死という噂は、非常に誇張されてきた(マーク・トゥエインに感謝を)。神話に比べて、フェアリーはこの週末を一色に染めはしなかった。2日め前半のトップ卓を見ても、いくつものアーキタイプが存在していた。
フェアリーは29人のプレイヤーを2日目に送り込んでいる。これは通過者の22%であり、言いたてられていた想像を下まわる数字である。
ドラン、マーフォーク、黒緑エルフ、赤デッキ、は、それぞれおよそ10%。赤デッキにはまだ進化の可能性があると、池田剛のシャーマン入りのデッキが示していた。彼は《憤怒の鍛冶工》を使うのみならず、《威嚇者の信徒》を使ってビートダウンの初速をあげたのだ。池田は第10回戦、4番テーブルで対戦していた。
ヒバリは多くのプレイヤーにとって予想外の伏兵だった。フェアリーが多いので、フェアリーに負けるヒバリは少なくなると予想されていたのだ。しかし、反射を読めるプレイヤーはメタゲームを読み、色々なコンボデックで参戦した。多くの日本人プレイヤーがこの部類であり、想像されていたよりもよい釣果を得ている。
中量級赤緑、アグロ緑白、青緑黒マネキンデッキは、その次に多かった。
レミ・フォーティエがプロツアー・ヴァレンシアを制したデッキを構築したマヌエル・ブッチャーは、クイックン・トーストと呼ばれる、《鮮烈な小川》《鮮烈な林》《反射池》各4挿しの5色グッドスタッフを組み上げた。10ラウンド終了時点で、このデッキを使っていた4人、ギョーム・ワフォ=タパ、マヌエル・ブッチャー、オリバー・ルーエル、アントワン・ルーエルはそれぞれ1位、11位、41位、84位の成績を収めていた。
05/24 15:43
剛史の影
テッド・クヌートソン
構築戦プロツアーと言えば、藤田剛史のデッキリストなしでは始まらない。今回、日本の巨匠はハリウッドに来ていないが、彼の構築したデッキは全く異なるものが2つ送り込まれている。1つはいとこ(!?)の藤田修、もう1つは大澤拓也が使っているという。それぞれ初日を突破しているのだが、藤田剛史に話を聞く事はできないのでデッキからその思想を汲み取る事にしよう。ここに2つのデッキリストを示すので、見てみてほしい。
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Takuya Osawa - 0-4 Deck Pro Tour-Hollywood 2008
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Osamu Fujita - Affinity Elves Pro Tour-Hollywood 2008
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05/24 16:29
スタンダードの異常なマナ・ベース
トム・ラピル
スタンダードは現在、コールドスナップと今年のセットの2ブロック制のおかげで史上最大のサイズとなっています。つまり、驚くほど多くの基本でない土地があり、プロツアーのデッキビルダーたちはその恩恵を充分に享受しているということです。全ての呪文をプレイできるかどうかが問題なのではなく、呪文をプレイするためのコストがどれだけなのかが問題なのです。土地からダメージを受けませんか? タップ状態で場に出て1ターン遅くなることは? 対戦相手にライフを与えたりしませんか? 今週末のデッキから2つを見てみましょう。
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Tyler Mantey - Doran Pro Tour-Hollywood 2008
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タイラーはこの3月に行なわれたエクステンデッドのグランプリ・フィラデルフィアでトップ8の成績を残していて、今回は皆に愛されているドランを使って11ラウンド終了時点で8-3でした。彼のドラン・デッキは3色で、それらのマナはできるなら2ターン目に揃えたいところです。黒マナを出せる土地が12、白マナを出せる土地が9入っている上に《極楽鳥》4枚が入っているので、それは不可能な話ではありません。3色の呪文を素早くプレイできるように、タイラーのデッキにはペイン・ランドが多数投入されています。《コイロスの洞窟》《ラノワールの荒原》《地平線の梢》《つぶやき林》、これらは彼のライフを代償に色を潤沢に出せるようにしているわけです。《光り葉の宮殿》も使えることがありますが、エルフは《名も無き転置》や《カメレオンの巨像》を数えても7体しか入っていません。ですから、エルフ・デッキで使うときのような信頼性はありません。色を整えるのはペイン・ランドのお仕事なのです。
ペイン・ランドでダメージを受ける見返りに、タイラーはゲームの序盤から強烈なカードをプレイできるようになります。《極楽鳥》から2ターン目に《包囲の搭、ドラン》を出すというのはこの形式の2ターン目にしては十二分でしょう。他にも2ターン目といえばもちろん《苦花》があります。白だと《忘却の輪》。スタンダードで正当に評価されていなかったカードです。このデッキの大半は普通の緑黒エルフ・デッキですが、タイラーは痛みを堪えることで白という追加のパワーを手に入れたのです。
今週末、緑のプレイヤーたちがそうしていたように、タイラーは《ペンデルヘイヴン》と《樹上の村》というマナを出すだけでない土地を投入していました。これらは前評判通りの結果を見せてくれました。《樹上の村》はここぞとばかりに敵陣に攻め入り、《ペンデルヘイヴン》は緑マナを使っていないデッキでさえ入るほどに《苦花》その他のトークンを鼓舞していました。
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Guillaume Wafo-Tapa - Quick 'n Toast Pro Tour-Hollywood 2008
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その一方で、鮮烈な土地やシャドウムーアのフィルター・ランド、《反射池》を使って、数ターン遅れるものの安全に好きなマナを出す、という選択もありました。マヌエルはまさにその種の発想からデッキを組み上げ、ギョーム・ワフォ=タパはそれを使って初日を制覇し、その後2回不本意な引き分けにもつれ込んだとはいえまだまだトップ8を狙える位置にいます。土地を無視すれば、このデッキのマナ・バランスは正気の沙汰ではありません。メインに《雲打ち》3枚と《謎めいた命令》4枚が入っているのです。    と   が……大丈夫! 他にも黒のインスタント5枚、《炎渦竜巻》まで入っています。サイドボードには残りの2色のカードも。《薄れ馬》と《テフェリーの濠》が白から、《砕岩を食うもの》が赤から登場です。
 | マヌエル・ブッチャーが第10回戦 第3ゲームで出していた土地の数々 |
《鮮烈な小川》《鮮烈な林》《反射池》といった5色土地ドリーム・チームのおかげです。このデッキに入っている土地のうち半数は、5色どれでも出すことができるのです。タップイン土地が8枚あるのはいかにも多いのですが、その代価としてこの環境にあるどのカードでも、文字どおりあらゆるカードをプレイする事ができます。他の中量級デッキ相手には、長期の戦略と、場合によっては《原初の命令》が必要です。《思考の粉砕》や《砕岩を食うもの》を散らしましょう。地上クリーチャーが来るのが恐ければ、《テフェリーの濠》が入っています。土地はタップインするものなので、第1ターンから第3ターンまでは待ちの戦略になります。それ以降なら強烈なカードを使い放題、それこそがパワーです。
このデッキには改造の余地があり余っています。サイドボードにもっといいカードがあれば、それを入れればいいんです。マナはいくらでもあります。基本土地が入っていないので《月の大魔術師》には弱いですが、そのために《殺戮の契約》があります。しかしまだ恐いというのなら、《残忍なレッドキャップ》を投入してみる手もあります。《月の大魔術師》が出てしまうと黒マナは使えませんが、赤マナはいくらでもありますからね。
05/24 17:16
重ね重ね
ネイト・プライス
色々と考えながら、私はトーナメント・エリアを散策していた。テーブルに立ち止まっている私は、まるでフェンスに止まった鳥のようだったろう。頭の中には目まぐるしく色んなことが渦巻き、何か書くのにいいネタはないかと探し求めていた。
第12回戦の終わり。黒赤トークン・デッキと《目覚ましヒバリ》デッキの対戦を見つけた。私が行ったとき、トークン・デッキの出しているものは非常に強烈な印象を与えてくれた。《墓穴までの契約》、待機状態の《大いなるガルガドン》、それに《モグの戦争司令官》のトークン2つ、《節骨の魔女》、それに《泥デコの松明走り》。この状況はいかにも面白い。することはいくらでもあり、起こることはさらに多いのだ。
もしここでカードの相互作用が起これば、物語はさらに面白かっただろう。しかし、対戦相手は《目覚ましヒバリ》と《造物の学者、ヴェンセール》を出していた。また《熟考漂い》や《裂け目翼の雲間を泳ぐもの》、《影武者》は墓地に潜んでいた。これはひどい。せっかく面白い状況が台無しじゃないか。文字どおり顔面蒼白になって、私は状況を眺めた。
《目覚ましヒバリ》のプレイヤーが《誘惑蒔き》を使った。これはひどい。クリーチャーは生贄に捧げられ、墓地から復活してくる。再び死ぬ。いや私も死ぬ。死んでられない。《目覚ましヒバリ》がいる。あまりの衝撃に散らばった頭蓋骨を拾い集め終わったら、盤上には《目覚ましヒバリ》側に大量のクリーチャーが、相手側に大量の土地だけが並んでいた。
《目覚ましヒバリ》 1-0 《墓穴までの契約》
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