プレリリースも終わり、いよいよローウィン・シャドウムーアブロックも全てが明らかになった。

 イーブンタイドは、ブロックの最後を締めくくるにふさわしい、非常にカラフルなセットである。

 本稿ではイーブンタイドの魅力を紹介したい。今週末にはプレリリース・パーティーも開催されるので、是非参加してみよう!


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 シャドウムーアで復活した混成マナのカードは全て友好色のカードであったが、イーブンタイドの混成マナは対抗色で構成されている。

 これはプレーンシフト・アポカリプスの関係と同じである。白黒や赤青など、普段は手を組まない色の競演が見られるので、非常に面白いセットになりそうだ。

 それではまず、シャドウムーアでおなじみとなった能力のおさらいをしつつ、イーブンタイドで新登場したカードを見ていこう。


『頑強』
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 頑強とは、簡単に言ってしまえば1度復活する能力である。

 頑強持ちのクリーチャーが墓地に置かれたとき、-1/-1カウンターがそのクリーチャーに乗っていなければ、-1/-1カウンターを1個乗せた状態で場に戻ってくる。

 そのカウンターをどうにかして取り除くことができれば、永久に死なないクリーチャーのできあがりだ。単純にしぶといというだけでなく、場に出たときに能力を発揮するCIP持ちのクリーチャーは特に使い勝手がよい。シャドウムーアのカードでは《台所の嫌がらせ屋》《憤怒焚きの巨人》が大活躍している。

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現役先輩選手

 ここで紹介する《雷叫び》は、赤の奇襲火力としてとても期待できそうなカードだ。パワーが7もある速攻持ちは、一発でゲームの流れを変える力を持っている。かといって除去すると、今度は《ボール・ライトニング》として襲ってくるのでさらに危険だ。確かにサイズ面では-1/-1されているのでパワーダウンなのだが、トランプルを持つことを考えると、むしろ強化されて場に戻ってくると考えたほうがいいだろう。

 イーブンタイドには《雷叫び》と同じように、-1/-1カウンターが乗っていることがむしろメリットになるクリーチャーがいくつか存在する。カウント2.9まで追い込まれてからが勝負!


『萎縮』
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 萎縮は、ターン終了後も蓄積するダメージと考えるとイメージしやすい。

 ダメージを与える代わりに、その数だけ-1/-1カウンターを乗せる能力である。このカウンターはターン終了時にも取り除かれないため、萎縮持ちからダメージを受けるとどんどん弱ってしまう。ローキックのようにダメージを蓄積させ、最後に倒すという戦い方ができるので、3/3以上のサイズを持つ大きなクリーチャーに対して大変有効だ。

 また、前述の頑強を無効化できる点も要チェック。ここで紹介している《穿刺破》なら、《台所の嫌がらせ屋》が戻ってきてさらに2点のライフを得る…という事態を防ぐことができる。再生能力に対しても強いので使い勝手が良い。

 シャドウムーアの世界では、萎縮といえばクリーチャーが持つ能力だったが、イーブンタイドでは《穿刺破》のように呪文にも萎縮が付いていることがある。通常の呪文より間違いなく強いので、大事に使いたいところだ。


新キーワード能力


『回顧』

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 さて、ここからはイーブンタイドで新登場の能力を紹介していこう。まずは回顧だ。

 回顧は、何度でも使えるフラッシュバックのような能力である。回顧持ちのカードが墓地にあるときにマナコストを支払い、手札から土地を1枚捨てれば繰り返しその呪文をプレイできる。手札に余った土地を有効活用できるので、無駄なドローが続いても息切れしにくい。ここで紹介している《カラスの罪》は、単純な1マナのディスカードスペルだが、繰り返し使えばこのカードだけで相手の手札を空にすることもできるだろう。《壌土からの生命》なんかがあれば、とんでもないアドバンテージを得ることができる。

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理想的なタッグパートナー

 回顧は、構築・リミテッドのどちらでも活躍する可能性があり、非常に面白い能力だ。リミテッドに慣れていないプレイヤーは、後半になっても使い道のない土地を並べ続けるということがあるが、ぐっと我慢して回顧をフル活用しよう!


『彩色』

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 彩色は新しいポイントに着目した能力だ。カードのマナコストにある、色マナのシンボル数が鍵になる。例えば、《さまようもの》なら{U}が1個、《弧炎撒き》なら{R}が2個。能力をざっと見渡すと、マナシンボル数は多い方が高い効果を得られるようだ。

 《正気の削り落し》は彩色のカードであり、ライブラリーを上から10枚見て、その中にあった青マナシンボル分だけ相手のライブラリーを削るカードだ。《謎めいた命令》《ザルファーの魔道士、テフェリー》が出るとうれしいが、《祖先の幻視》《ルーンのほつれ》だとがっかり。夢のあるカードなので、うまくデッキ構築できれば1枚でライブラリーをごっそり削ることもあるだろう。

 ちなみに、《正気の削り落し》のようにライブラリーのトップを見るだけでなく、場のパーマネントや墓地のカード、手札を参照するものもある。過去にもスレッショルドなど、新しい能力が環境を変えてしまった例もある。彩色もポテンシャルは高いので、構築にチャレンジしてみてはいかがだろうか?ただ、色拘束のきついカードは強力だが、プレイするのも難しい。彩色の効果ばかりを追い求めると、デッキのマナカーブがとんでもないことになってしまうので注意しよう。大技ばかりでは試合も盛り上がらない。

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サイクル


『ミミック』

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 混成の2マナ2/1だが、その2色と共通した色のスペルを唱えると、大きく成長するクリーチャーである。

 条件が厳しいのであまり期待はできないかもしれないが、何度か発動できればゲームを有利に進めることができる。

 特に、回避能力がつく《夜空のミミック》《川滝のミミック》は最後の一撃を決めてくれることも多そうだ。

 《絵描きの召使い》を引いたら、積極的に使っていこう。

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1色しか合ってないカードもコレでオッケー

『垣魔道士』

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 混成の3マナ2/2クリーチャーで、対応する基本地形を2枚コントロールしているとCIP能力を持つ。

 《デュルガーの垣魔道士》は、条件を満たせば《帰化》を飛ばす能力を持つ。

構築戦ではあまり見られなさそうだが、リミテッドでは3マナ2/2という普通のサイズを持っていることも考えると、小回りのきく良いカードだと思われる。

 バウンスや墓地再利用も含めると、なかなかのアドバンテージを稼ぐことができるだろう。


『雛』

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 混成の4マナ6/6+特殊能力を持つクリーチャー。

 場に出るときは-1/-1カウンターが4つ乗っているので2/2だが、対応する色の呪文を唱えると、そのたびに1個取り除くことができる。

 前述のミミックとあわせて使うと、効率よく育てることができそうだ。出た瞬間が弱すぎるので構築戦では難しいかもしれない。


『しもべ』

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 混成マナで召還され、対応する2色のクリーチャーを強化する「しもべ」シリーズ。

 当然のことながら、今回は対抗色バージョンが登場する。いずれも他のクリーチャーを+1/+1する能力に加えて強力な能力を持っており、放っておくと大変なことになってしまうカードばかりだ。

 特に《死を運ぶ者のしもべ》は、白黒の呪文を唱えるたびにクリーチャーが倒れていく。黒いので黒除去もきかず、リミテッドでは相当な爆弾カードとなるはずだ。


『混成オーラ』

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 リミテッドだけでなく構築でも活躍している《大霊の盾》などの混成オーラも、イーブンタイドで対抗色バージョンが登場する。

 特に、《御身の刃》《永久モズ》との相性もよく、構築戦でも活躍しそうである。条件は厳しいが、たった1マナで+3/+3を得られるのは破格の能力だ。

 リミテッドでは、《神性の贈り物》がゲームを決める力を持っている。一撃で相手のクリーチャーが全滅する可能性もあるので見逃せない。


『スピリット・アバター』

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 混成の5マナで、サイズ・能力ともに破格のものを持ったクリーチャーたちだ。

 シャドウムーア生まれの《復讐の亜神》《薄暮の大霊》がすでに活躍中だが、今回の新人もなかなかいい素質を持っている。

 特にリミテッドでは非常に強力だ。1枚で場を制圧することができるものも多い。《戦争の貴神》だけはやや物足りない気がするが…

 一方、《恐怖》《叫び大口》《殺戮の契約》などの黒除去が乱れ飛んでいる構築戦では、やはり黒の2枚が強く見える。《名誉の御身》《大気の精霊》がかわいそうになってくるほどのパワーを持っており、《賛美されし天使》の後継として様々なデッキで活躍することだろう。赤単はまたしても天敵が増えてしまった。

 もう一枚の《傷痕の神性》は、《幽体の魔力》《魂売り》の長所だけをあわせたようなクリーチャーであり、フィニッシャーとして十分期待できるだけのパワーを持っている。めったに再生能力を使うことはないと思われるが、緑の大型クリーチャーで《レンの地の克服者》と相打ちにならないというのは大きい。


『各色フィルターランド』

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 2色のマナを簡単に生み出してくれるフィルターランドも、これで全色がそろったことになる。《反射池》との相性も抜群で、多色デッキも組み放題だ。とはいっても入れすぎは禁物。初手にフィルターランドしかなくてマリガン…なんてことは避けたいし、《ラノワールのエルフ》など、1マナ域の呪文がたくさん入っているデッキなら、《黄昏のぬかるみ》より《光り葉の宮殿》を使った方が序盤の展開はしやすい。赤い除去が入っていないデッキの場合は《月の大魔術師》にも要注意だ。闇雲に4枚投入するのではなく、ちゃんとデッキの動きを想定して使うようにしよう。


 以上、イーブンタイドの注目ポイントをざっと見渡してみたがいかがだっただろうか?

 色の組み合わせがガラッと変わるセットなので、新しいデッキもたくさん生まれてくるだろう。

 新環境のスタンダード、まもなく開催されるGP神戸のブロック構築、どちらも大変楽しみだ。それでは楽しいデッキ構築を!


黒田 正城(くろだ・まさしろ プロツアー神戸チャンピオン/ウェルター級=141パウンド)

 日本人初のプロツアーチャンピオンに輝いたトッププレイヤー。ミラディン=ブロック構築で行われたプロツアー神戸での赤単色ビッグレッドは、今や "Kuroda-Style Red" という国際的なアーキタイプとなって語り継がれている。

 一昨年末のThe Finals2005でも見事な優勝を飾っており、各種プレミアイベントでの入賞多数。日本代表入りの経験もある。