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自分にとってマジックの最大の魅力は、ゲームの多様性という部分だ。ある時は自由なカードプールから60枚のカードを選んでデッキを組み、またある時は未開封のパックから1枚1枚カードを選んで取っていき、40枚のデッキを作る。常に新しい遊び方でゲームを楽しめるというのは、なかなかにすばらしい事だ。今回はそんなマジックのフォーマットの中でも、絶大な人気と面白さを誇る「ブースタードラフト」について紹介しようと思う。

1.準備
(1)パック
ブースタードラフトとは4〜8人のプレイヤーが集まって行う、マジックのフォーマットの一つだ。まず、プレイヤーはそれぞれ3つのブースターパックを用意する必要がある。ここで使用するブースターパックは、他の参加者と相談して決めるのがいいだろう。全部一緒でもかまわないし、勿論バラバラでもOKだ。初めてやるからよくわからない・・・、という人はとりあえず第10版のブースターパック3つでやってみることをお勧めする。基本セットのカードは拡張エキスパンションのカードに比べてルールが比較的簡単なので、ドラフト初心者にも安心というわけだ。

今回は4人分のブースターパックを用意
(2)プレイヤー
ドラフトを行うのに欠かせないのが、一緒にドラフトをする仲間だ。基本的には8人で行うのが良いのだが、人数が集まらない場合は4人でもかまわない。ただ人数が多くなればなるほど、まだ見ぬカードが増え、ゲームがよりエキサイティングになるので、できるだけ大人数で行うことをお勧めする。やろうと思えば10人でも20人でもできるので、みんなでワイワイ楽しみたいというなら是非チャレンジしてみて欲しい。
(3)土地カード
パックとは別に必要になるのが土地カードだ。第10版のブースターパックには、確かに基本土地カード1枚が入っているのだが、流石にそれだけで全員分を補うのは不可能なので、ゲームで使用するための基本土地カードを別に用意する必要がある。基本土地カードの準備は、前回の「シールドのすすめ」で真木さんが書いているように、
・構築済みデッキ、もしくはトーナメントパックを購入する
・マジックをしている友達に用意立ててもらう
・お店で遊ぶ場合は、(あれば)貸してもらう
というような方法で用意するといいだろう。幸いな事に、最近ではドラフト用の基本土地カードを貸し出してくれるお店も多い。困った時には是非、お店の人に相談してみよう。
さて、これでドラフトの準備は完了!
2.ドラフト
(1)ドラフトの進行
ドラフトは参加者が円になるように座り、以下の順で進行していく。
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1:全員パックを1つ開封し、その中から1枚をピック(カードを選んで自分の前に置く)する。
2:残ったカードを左隣の人に渡し、右隣の人から1枚減ったパックを受け取る。
3:渡されたパックの中から1枚をピックする。
4:残ったカードを左隣の人に渡し、右隣の人から2枚減ったパックを受け取る。
5:3と4の手順をパックのカードがなくなるまで繰り返す。
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ワクワクの開封タイム
この手順でどんどん進めていき、1つ目のパックが無くなったら、次は2つ目のパック。2つ目のパックが無くなったら、次は3つ目のパックというような感じでピックを繰り返していき、最終的に45枚のカードが自分の前に置かれた時点でドラフト終了となる。
なお、2つ目は最初とは逆に右隣に向かってカードを渡すようになり、3つ目のパックではまた左隣へと戻る。つまりカードを渡す向きは、
・1パック目:左回り(時計回り)
・2パック目:右回り(反時計回り)
・3パック目:左回り(時計回り)
という感じになるのだ。

隣の人に渡す際は、お互いに1枚ずつ減っていることを確認しよう
(2)ピックの指針
カードを選べといっても、これがなかなかに難しい。何せ、15枚とはいえカードには様々な効果があるし、そもそもどれが強いかなんて初めての人にはさっぱりわからないだろう。というわけで、今回はドラフトを進めていく上での簡単な指針を紹介しよう。あくまでも簡単になので、慣れてきたら自分なりのやり方でドラフトを進めていく事をお勧めする。自分で考えてカードをピックする方が、よりドラフトを楽しむことができるからだ。
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指針 その壱:クリーチャーを取ろう!
何はともあれ、クリーチャーがいなければアタックどころかブロックすらできない。まずは、優秀なクリーチャーをピックするよう心がけよう。優秀なクリーチャーの目安としては、
・パワーとタフネスが高い。
・飛行や先制攻撃などの能力を持っている。
・相手のクリーチャーをタップしたり、破壊する能力を持っている。
といったところだろう。勿論上記の目安に当てはまらない強力なクリーチャーも数多く存在する。慣れてきたらカードの文章をよく読んで吟味しながら取っていくといいだろう。
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ゴブリンもーらい!
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指針 その弐:相手を妨害するカードを取ろう!
相手の動きを妨害するカードとは、相手のクリーチャーを破壊する効果を持つカードのことだ。相手の強力なクリーチャーを破壊できれば、ゲームを一気に有利にする事ができる。この手のカードには結構な種類があるが、シンプルに「クリーチャーを破壊する」や「クリーチャーに〜点のダメージを与える」というような効果のカードを見かけたら取っておくといいだろう。
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《ネクラタル》だ!
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指針 その参:デッキは2色で!
ただ闇雲にカードを取っていては、5色のカードが満遍なく揃ったデッキ仕上がってしまうだろう。いくら基本土地を何枚入れてもいいとはいえ、折角引いたカードが必要なマナを出す基本土地が引けなくて使えませんでした・・・なんてのは悲しすぎる。だから、デッキで使う色はできるだけ2色に収まるようにしよう。最初に取ったカードの色と、次に取ったカードで使う色を決めて、後はその色のカードだけを取り続けるのがいいだろう。
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2色に絞ってカードを集めよう
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指針 その四:なんだか強そうなカードがあったら取る!
折角ゲームをするんだから、時にはチャレンジ精神だって必要だ。効果はさっぱり理解できなくてもイラストがやたら強そうだったり、なにやら強そうな事が書いてあったらどんどんピックしてみよう。カードの効果は後で誰かに聞くとして、興味があるカードを使ってみる事が大切なのだ。
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《硫黄泉》のような特殊な土地も役に立つ
3.デッキの構築
45枚のカードを取り終えたら、次はデッキ構築だ。デッキを作る時に注意するのは以下の4点になる。
(1)デッキは40枚以上
ブースタードラフトの試合で使うデッキは、デッキの枚数が最低でも40枚なくてはならない。一応、40枚以上あれば何枚でもかまわない事になっているが、枚数を増やしすぎてもいい事はないので、できるだけ40枚丁度で組むようにするといいだろう。
(2)クリーチャーと呪文と土地の枚数
40枚といっても、そこにはまずデッキを動かすための基本土地が入る。滞りなく必要なマナを確保するためにも、基本土地を17枚は入れておきたいところだが、この点に関してはデッキを作った後、デッキに入っているカードのマナコストを考えて微調整しよう。デッキに入っているカードのコストが全体的に低いと感じるようなら16枚でもいいし、逆に高いと感じるなら18枚にすればいい。
さて、基本土地を16〜18枚入れるとすると、残ったカードの枠は22〜24枚。この枠にドラフトで取ったカードを入れていくわけだ。この時、デッキに入れるカードはなるべくクリーチャーカードを優先するようにしよう。基本的にブースタードラフトはクリーチャーが主役のフォーマットだから、クリーチャーが少ないのはかなり危険だ。クリーチャーはしっかりした枚数を入れておきたい。そもそも色が合わなかったり、弱いクリーチャーを入れても仕方ないので、そこはクリーチャー以外のカードで埋めるようにするといいだろう。目安として、クリーチャーとそれ以外のカードの枚数が2:1になるようにすれば丁度いいはずだ。

デッキ構築タイム
(3)クリーチャーの選定
では、どんなクリーチャーが使えないのか?
まず、上記で触れたとおり、使っているデッキと色が合っていないカードはNG。例外的に、強力なカード単体のために、3つ目の色を足したりする事もあるが、慣れないうちはやらない方がいいだろう。
次に、コストが高すぎるクリーチャー。これもかなり使いにくい。大抵、ブースタードラフトの試合は6〜8枚の土地を並べたあたりで決着するのが基本なので、コストが9以上のカードはとりあえず遠慮しておいた方がいいだろう。
最後に、コストとパワータフネスが見合っていないクリーチャー。カード個々に見ると分かりにくいかもしれないが、カードを並べて見れば一目瞭然。物凄く大雑把な目安で言えば、パワーとタフネスを足して自身のコストを越えていないクリーチャーがそれに当たる。勿論、カードが持つ能力によってこの評価はいくらでも変わってしまうわけだが・・・。と、まあこんな感じでクリーチャーを選んでいけば、自然とデッキに入るクリーチャーが選べるはずだ。もし、クリーチャーが足りないようなら、弱いクリーチャーの出番だし、使えるクリーチャーの枚数が多いのなら、呪文の枠からクリーチャーを入れる枠を増やせばいいだろう。
(4)クリーチャーカード以外の呪文カードの選定
最後に残ったのは呪文カードの選定だ。ソーサリーやインスタント、エンチャント等は複雑な効果を持つものが多く、その効果を把握するのはそれなりに難しい。なので、まずは下記の効果を持つ呪文を選ぶといいだろう。
・クリーチャーを破壊する
・クリーチャーやプレイヤーにダメージを与える
・カードを引く
・手札を捨てさせる
・クリーチャーのパワーとタフネスを上げる
勿論、上記の効果以外で使ってみたいカードがあればどんどんデッキに入れてみてもかまわない。これはあくまでも指針であり、絶対的な正解ではないのだから。
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| デッキ完成! |
キーカードはこの3枚! |
これで、とりあえずデッキができたはず。いよいよ対戦だ。
4.対戦
さて、対戦を始める前に、最初の対戦相手を決める必要がある。対戦相手の決め方は色々あるが、オーソドックスな方法で「ランダムに決めてしまう」のがいいだろう。
最初の対戦が終わったら次は、2回戦目だ。時間が許せば総当りで対戦してもいいし、そうでなければ勝った者同士、負けた者同士で対戦してもいい。
対戦が終わった後には、ドラフトでピックしたカードの配分が待っている。ポピュラーなやり方としては、レアとフォイル使用のカードを並べて、勝ち数の多い順に取っていくというのがある。他にも、豪快に勝者の総取りとか、単純にランダムに配ってしまうという方法もある。

レア取りタイム
対戦数や時間、使い終わったカードの配り方に関しては、前もって参加者同士で決めておくとトラブルが少なくていいだろう。

以上が、筆者的な「ドラフトのすすめ」だったわけだが、いかがだっただろうか。今回の記事はブースタードラフトを既に知っている人には退屈だったかもしれないが、未来で一緒にドラフトする人のために、何卒ご容赦を。
ブースタードラフトは高い難易度とそれに見合う楽しさを持つ、マジックでも屈指のフォーマットだ。是非とも、多くの人にその楽しさを味わってもらいたい。
それでは、この記事を読んで「ドラフトをしてみたい!」と、思っていただけるのを祈りつつ。
石田
格 (いしだ・いたる)
日本マジック界の黎明期から活躍するプロプレイヤーで、十余年間にわたって競技マジックの最前線に立ち続けているという「鉄人」。特に、団体戦リミテッド形式における圧倒的な強さには定評があり、国際的にもその分野で世界最強と認められている。
今や、石田に薫陶を受けた多くの新しい世代が世界で活躍しはじめており、つい先日のプロツアー・プラハでチャンピオンに輝いた大澤 拓也(神奈川)選手をはじめ、数多くのスタープレイヤーが師事している。
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